最近、ふと立ち寄った本屋で眼に留まった本に注目しています。「天皇と東大」というちょっとセンセーショナルな表題で、著者は立花隆。彼は、週刊新潮のコラムで「戦争中毒」に好意的な文章を書いてくれたこともあり、さらに著書「イラク戦争・日本の運命・小泉の運命」でも同様なことを書いてくれています。日本の著名なジャーナリストで私たちの本を取り上げてくれたのは立花隆だけなので、彼には一目を置いているわけです。実際、立花隆の現小泉政権に対する批判は徹底していますし、とくに、改憲問題での立場も明瞭です。真理の追求というジャーナリストの役割をフルに演じている人間と言っても過言ではないでしょう。
さてこの「天皇と東大」、ご存知の方も多いと思いますが、これは文芸春秋に7年間連載していた「私の東大論」をまとめたものです。じつはこの本には「大日本帝国の生と死」という副題がついています。「長い長い鎖国の時代が終わったあと、日本という近代国家がどのようにして作られ、それがどのようにして現代日本(戦後日本)につながることになったかを、「東大という覗き窓」を通して見た本」とあります。そしてこの国がどうしてこんな国になってしまったのか、歴史を振り返ると日本は大きな曲がり角をまわるたびに大きな過誤を犯してきた、そのときの判断ミスがのちに取り返しのつかない結果となって跳ね返ってきた、その原因を見極めるためにも近現代史を知ることが必要であり、そこからはじめて現代を語れる、と本の趣旨を書いています。
そして、近代日本の政治と軍事と宗教の一体化した神聖シンボルとしての天皇(制)は、近現代史の中心的な役割を果たしてきたこと,また、その天皇を中心とする「国体」観念に全国民が虜にされたが、その魔術支配の主たる舞台こそ東大であったというのです。
まだまだ読み始めたばかりですが、はじめから眼から鱗の話がつづいます。興味あるところをこれからも書いて行きましょう。
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