アメリカに来て早いものでもう10日になります。いまはサンフランシスコ郊外のサンブルノという松林に囲まれた小さな町に滞在しています。比較的温暖なロスアンゼルスから車で海岸線を北上してやってきましたが、さすがにここは寒く、たぶん気温は8〜10度くらいでしょう。今日は朝から冷たい雨が降っています。
ここから西へ、サンフランシスコ湾を越えたところにローレンスリバモア核兵器研究所があります。最近、そこが驚くべき発表をしました。劣化ウランの爆発実験を野外でやるというのです。問題は、このニュースを誰も知らないことです。私は、長年放射能の危険性を訴えているジャーナリストのボブ・ニコルズにバークレーで会って知りました。彼が書く記事はほとんどサボタージュされてしまうそうです。核問題に関してはまったく知らぬ存ぜぬのアメリカのメディアがこの発表を記事にする事はありません。イラクや各地でたくさんの被害者を出している核兵器が、目と鼻の先で爆発実験されるというのに、その影響を確実に受ける700万のサンフランシスコ市民は何も知らされないのです。ボブは、サンフランシスコ選出のもっとも革新リベラルとされるバーバラ・リー下院議員にこのことを訴えましたが、いまのところ何の返事もないそうです。
なによりも驚かされるのは、サンフランシスコという大都市の郊外(車で30分)に核兵器研究所があるという事実、それがもう半世紀以上にわたって核物質を環境中にばらまいてきている事実、そして、誰もそのことを問題にしないという事実です。劣化ウラン問題を国際的に訴えているローレン・モレは、かつてこのリバモア研究所員でした。研究所の周りの放射線汚染を調べてびっくりしたそうです。リバモア市でも一時それが問題になったのですが、結局安全値以内ということになったそうです。
じつは今日ローレンスリバモア研究所を見学に行こうかなと思っていたのですが、ゆみがそんな危険なところはごめんだというのでやめにしました。
明日は、全米で反戦平和デモが計画されています。私たちもサンフランシスコ市内へ地下鉄で行きます。雨でなければいいのですが。ちょうど3年前同じ反戦デモに参加しました。25万人のデモです。アメリカはいまでも戦時下です。市民のほとんどはもう止めようと言っているのに、ブッシュ政権は2万3千人のイラク増兵を決めました。さて、明日はどのくらいの人が参加するでしょう。
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