火曜日, 3月 20, 2007

3月20日親業

きょうは、杏菜ちゃんの卒園式でした。ほんのこの前入園式をやったとおもっていたら、もうこんなに成長していたのですね。この数年、毎日送り迎えをしてきた私も卒園式です。

毎朝起きると台所の寒暖計を見るのが日課ですが、このところ毎日零度以下です。3月ってこんなに寒かったのでしょうか。地球温暖化が叫ばれていますが、確かにそうかもしれません。この2月は異常に暖冬だったそうですね。先週アメリカから帰って驚いたのは、いつもは冬になると必ず枯れてしまう庭のレモングラスが青々と茂っているではありませんか。昨年蒔いた小麦もなにか例年に比べると、背が高いようです。今日桃のつぼみがもうふくらんで明日にでも開花しそうになっているのに気づきました。

温暖化問題については、賛否両論があって科学的データの取り方でまったく異なる結果が出てしまいます。地球規模の温度変化測定はじっさい非常に難しいことだそうです。確かに北極の氷山は融けて来ていますが、南極では逆に増えているそうなんです。ただ確実に言えることは、地球規模で気候変動が起きていることだけは確かなようです。

さて、2ヶ月も留守するともちろんやる仕事がたくさん溜まっていて、それこそなにから手を付けていいものやら途方に暮れている状態。毎冬来てくれる留守番役のアコちゃんが、薪をたくさん用意してくれていたのでこれは大助かりです。

田んぼに水を入れる前に、周りの杉の木を切らなければいけないので、これが仕事始め。大家さんがたぶん30年前くらいに植林した杉が大きくなって田んぼの周囲を暗くしているからです。チェーンソーだとものの1分も掛からずに切り倒せてしまいます。何本も切って行くと、さすがになにか罪悪感を感じてしまうので、ときどき休んで、木に話しかけながらやっています。山の急な斜面ですから、足場が悪く、気をつけないと危険な仕事です。

さて、この日曜日は、友人で親業シニアインストラクターの瀬川文子さんの講演を鴨川の城西大学キャンパスに聴きに行きました。親業というのは、親とこどものコミュニケーションを効果的にとっていくための親のトレーニングと言っていいでしょう。

瀬川さんの話しには、身につまされるような非常にためになる言葉がちらばめてありました。親業は親とこどものコミュニケーション技術ですが、もちろんそれだけではなく、夫婦や他人とのコミュニケーションにも同じように適応できます。

私たちはなにかこども(相手)の行為を見て嫌だ、困ったと感じたとき、それをこども(相手)の問題だとして、反応しますね。「まあ、どうしてこんなことをするのか」と、まず怒りがきます。でも、それはよく考えると困っていて嫌だと思っているには、私本人なのですね。それを「ダメ!」とか「なぜするのか」というように言ってしまうと、その瞬間こどもとのコミュニケーションは途絶されてしまうのだそうです。

そこで大事なのは、相手の行動によって、私がどのように影響を受けるのか、そして、これが最も大切ですが、私がどのような気持ちになっているのかを伝えることだと言うのです。あなたがどうこうしたから、のではなく、私がどう感じているのかを伝えることで、つまり怒りの前の感情ですが、こどもが安心して心をひらきコミュニーションが途絶えることなく続いて行くのだそうです。
要点は、いかにこどもとの会話をつづけるかがポイントだそうです。こどもに命令、説教、提案、理屈、脅迫、非難、ほめる、激励、尋問、ごまかす、などという対応をするとその瞬間コミュニケーションが止まってしまいます。
それではどうしたらいいのかと言うと、それが実に簡単なことで、相手の言ったことを繰り返す、だけでいいのだそうです。

こどもが、「こんなにたくさん宿題できないよ」と悩みを訴えて来たら、「勉強するのがあなたのするべきことでしょう」など頭ごなしに意見や命令などするのでなく、「そう、たくさん宿題がでちゃったんだ」とそのまま返してやるのです。
するとこどもは、話しを聴いてもらえると思って安心しほっとします。そしてなにが次に起きるかと言うと、聞いてもらえることで、こどもは自分の悩みを整理しやすくなり、こころが落ち着いてきて、自ら解決の糸口をみつける力を発揮できるようになるそうです。

「うん、でもなんとかやってみるよ」というふうに、こどもは自分で解決法を考えられるのです。

悩みの答えは、悩みそのものの中にあるのです。子どもが安心して親と会話する中で自然と解決法がこどもに見えてくるのですね。

そこには、たぶん、こどもの能力を信頼するという気持ちも必要でしょう。

瀬川さんは、子連れのご主人と結婚されたので、いわゆる継母だったわけです。もう思春期の娘を突然もつ母親役を演じることになって、彼女は精一杯母親として出来る限りのことをやったつもりですが、娘さんは反発し、完全な親子断絶になって口もきかなくなってしまいました。瀬川さんは愛情が足らなかったのではないかと深刻に悩んだそうです。そして幸いなことに親業と出会うことで、親子のコミュニケーションがとれるようになり、それ以来人も羨むようななんのわだかまりもない親子関係が維持できているそうです。

瀬川さんは、じつは愛情が足りなかったのではなくて、愛情を伝えるコミュニケーションのスキルが足りなかったのだと後で気づいたそうです。そして、過去と相手は変えられないが、自分と未来は変えれることにも気づいたそうです。

こどもはいろいろな悩みを抱えるものです。それを忍耐強く聴いてあげることが大事だと言います。

我が子たちを観察していると、感情は一過性だとつくづく思います。そこを思いやって肯定的な感情表現をしてやると、こども(相手)は即変化して行きます。
「そうしてくれるとパパは助かるよ。うれしいな!」というふうに。

そういえば、日本の男性はいかに感情表現が下手か思い知らされます。
誰もが、心の悩みを聞いてくれる相手を求めているのだと思います。この親業は人間関係を上図にはかっていくための貴重なテクニックです。平和省プロジェクトでも瀬川さんの話しをしてもらいたいですね。

1 件のコメント:

  1. 本当にその通りですね。
    「親業」という辛気くさい言葉に、はじめは反発を持っていました。でも、言っていることはもっとも。
    「過去と相手は変えられないが、自分と未来は変えれる」には大賛成です。
    今日は、うちの娘の小学校の卒業式でもありました。
    立派に成長した姿に、驚きを感じ再認識しました。「彼女(娘)は確実に成長している」。

    ありがとうございました。
    Love & v(^o^)peace!

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