土曜日, 5月 05, 2007

5月5日平湯温泉

この連休は、ゆみちゃんの講演に付き添って富山と長野に家族旅行してきました。そこでもっとも印象に残ったのが、富山のイソップさんがすすめてくれた平湯温泉です。富山市で活躍されている素晴らしい方々との出会いのあと、バスに乗って奥飛騨連峰のそそり立つ谷あいを進んで、雪を抱く山並みの景観を楽しみながら、1時間ほどで当地に到着。よほど冬のあいだに積雪があったのか、町のあちらこちらに山のような雪が残っています。気温は10度以下で、震えるほどではないですが、じっとしていると冷えるといった感じ。近くのカラマツ林の遊歩道を歩くとフキノトウがあちこちに芽を出していました。

いつものように私たちの旅はできるだけシンプルにということで、温泉街でただ一軒しかないという民宿を予約していました。ところが、これが予想に反して大当たり。

その2階にはかけ流しの露天檜風呂が家族貸し切りであって、しかもその隣が私たちの部屋だったのです。温泉とくに露天風呂には目がない私たちは朝から温泉三昧。しかも当夜は満月という設定で、雪山を眺望しつつ、湯に身を浸す・・これ以上の贅沢は、考えられません。日本人に生まれてよかったなあ、と実感したふたりです。

いつも思うのですが、こういった露天風呂を味わうという日本人の伝統文化は、数百年という長い時間をかけて古人が培ってきたものですね。それは、何気ない風呂場の檜の柱や壁板、お湯の流れ出るところの岩や竹、木の巧妙な細工、そして外国では絶対見られない箱庭のような流し場のつくり、どれをとっても歴史の時間の流れに洗練され選択されていった侘び寂びの絶妙なアートです。それが単なる建物とか絵画彫刻ではなく、自然の湧き出る湯を楽しむという風情ある自然との会合に昇華させたのは、先人たちのお陰です。感謝!

翌朝、いつも6時前には目が覚める私は、ざぶんと朝風呂にしゃれこみました。その日はまったくの快晴で、ふと山並みを見上げると昨日は気づかなかったのですが、はるか遠くに天を突き刺すように真っ白に輝く山が目に映りました。エベレストを思い起こさせるその姿があまりにも見事だったので、ゆみちゃんを呼んでふたりでゆっくり観賞させていただきました。

私はかっこからてっきり槍ヶ岳だと思っていたのですが、あとで宿のご主人に訊いたら、笠岳だと教えられました。

露天檜風呂と満月と笠岳。また訪れてみたい思い出の地です。

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