Karen Parker
カレンの家はサンフランシスコ市内の小ぎれいな住宅地にありました。いかにも優秀な弁護士という感じですが、子どもを抱える優しいお母さんでもあります。いま、彼女がOAS(米州機構)に提訴している訴訟問題について詳しい説明をしてくれました。イラクのファルージャに対するアメリカ軍の攻撃の中で、病院施設を爆撃したことは違法であると訴訟を起したのです。アメリカは戦争犯罪を規定する国際条約に加わっていないため、戦争犯罪を国内で追求することができません。アメリカの憲法下では軍の行為は基本的にすべて免責ですから、カレンはアメリカが加入しているOASという国際機構の条約規約を盾に訴訟を起したのです。その訴訟の中で、劣化ウランと白燐弾の違法使用も追求すると言っていました。今回の旅でつくづく感じたことは、アメリカの保守体制側があらゆる手段を使って市民の民主的運動を妨害し押さえ込んできているという事実です。ローレンもローレンス・リバモア核兵器研究所で内部告発者になって以来、様々な脅しや妨害を受けてきていますが、カレンも同様に妨害を受けていると言います。せっかく国連で劣化ウラン禁止が認められたのに、そのことはメディアはまったく取り上げません。彼女が公の場所で話をしようとすると必ず妨害が入るそうです。国連小委員会で劣化ウラン禁止の採決までもっていくのに大変な努力と策略が必要だったそうです。あらゆる場面でアメリカが報告書を出させないように妨害してきたのです。カレンがいま一番困っているのはすべて個人の費用でやっていかなければならないことで、資金が足りないので裁判が継続できないと嘆いていました。なんとか日本で呼びかけて裁判資金援助をしてあげたいと思います。