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日曜日, 4月 18, 2010

非暴力的科学とは

アメリカの権威ある「米国公共衛生ジャーナル」にこんな記事が出ていました。

大手の健康保険会社が20億ドルものお金を、マクドナルドやバーガーキング、ケンタッキーフライドチキン、タコベルといった巨大ファーストフード企業に投資しているというのです。

これらの保険会社は儲けを人々を不健康にさせる業界に再投資することで、さらに多くの保険加入を獲得しようというのです。要するに、健康保険会社にとって、人々の健康などはどうでもよいということなのでしょう。

そのような大衆を不健康にすることで利益を得ようという企業は保険会社にとどまりません。製薬会社も、健康にいいどころかどちらかというと害になる安い化学ビタミン剤の会社に巨額を出資をしているのです。

もっと怖い話は、米国歯科医師会は水銀アマルガムという歯の詰め物の特許を持っていて、そのために子どもの歯の詰め物に水銀アマルガムを今も薦めているというのです。水銀はご存知のように水俣病の原因になった物質で神経系麻痺を引き起こす恐ろしい元素です。日本では今ではほとんど使われなくなっているようですが、アトピーや鬱病などさまざまな症状の原因になっている可能性があるので、過去に水銀アマルガムの詰め物をしていて心当たりがある人は、一度歯科医と詰め物を入れ替える相談をしたほうがいいでしょう。

以上の事実から言えることは、これらの大企業がひとびとの病気の要因をつくることで利益を得ているという全体的な病んだ産業構造です。彼らがいわゆるジャンクフードと言われるガンや心臓病、糖尿病などを引き起こす可能性のある食べ物を人々に提供することで儲けるのであれば、まさに人間の生命の苦しみや犠牲の上にこの産業が成り立っていることになります。

でも、もう少し広い視野でよく考えてみると、私たちが何気なく投資したり、貯金しているお金がとんでもないところに使われている可能性があることに気づきます。

たとえば、世界でもトップクラスの保有高を誇る日本の郵便貯金や銀行預金などはどうでしょう。

私たちが銀行に預けてある預貯金で、銀行は日銀の政府短期証券を購入します。日銀はそのお金(私たちの貯金)で為替介入、すなわち円を売ってドルを買い、米国債に投資するという流れになっています。そこで困ったことは、アメリカは自国の税収では軍事費が賄えずに、国債を売ったお金でそれを調達している事実です。しかも日本はアメリカの国債のお得意先になっているのです。実際、現在日本の米国債保有高は中国を抜いて世界一になっています。つまり、アメリカの戦争の費用を賄っているのは、間接的に私たちの貯金なのです。

これはお金の流れが引き起こす、皮肉で悲劇的な結果です。何気なく使っているお金が、知らない内に、まわり回っておそろしい破壊的なことに使われていることを意識している人が何人いるでしょう?

そもそもお金自体には何の責任はありません。アメリカの健康保険会社がマクドナルドに投資するのも、企業として利潤追求のための当然の行為なのかもしれません。

そして、お金という通貨そのものが、大企業に支えられた巨大な金融システムに支配されている現状の世界では、人間性などという価値観が入り込むすき間など皆無だという ことです。

それを資本主義とか社会主義とか呼ぼうと関係なく、私たち一人ひとりがこのお金のシステムに加担し、それを利用し、そしてまた支えていることには変わりありません。私たち自身がその問題の当事者だという非常に困ったことになっているのです。戦争を止めよう、企業の環境破壊を止めようなどと叫んでいる私たち自身が、間接的にそれらを支えていると言ったらどう思いますか?

どうしてこのような状況になったのでしょう。ある人たちはお金が存在し始めた有史以来からのことだと言います。でも、これほど人間性を破壊するシステムに成長したのは、どちらかと言うと人類史では近代西欧に始まると思います。じっさい、キリスト教やイスラム教では、お金で儲けること、つまり利子をつけるのは”邪悪”と考えられ禁止されていました。もちろん、それは表向きで、当時ユダヤ人たちが一手に握っていた金貸し業の最大の顧客は教会と国王だったそうです。でも、イスラム教では今日でも利子は禁止されています。

では、なにが決定的な変化のきっかけになったのでしょうか。私は、それを近代科学の始祖と言われる天才ニュートンの出現が最大の起因になったと考えています。

なぜ科学がお金と関係するのでしょう?

じつは、ニュートン以前の人々の信仰や哲学、思想そして生き方を支えていた根源的ものは、”神”の存在であり、万物は神の創造物であり、しかも神によって動かされ、生かされていると信じられていました。いわゆる宗教的宇宙観であり世界観であったわけです。(この点では、仏教や神道、儒教、インド宗教などの東洋思想とその他の世界のアニミズム的宗教は基本的に同じと考えてよいでしょう。)ですから、お金も神の創造物で”神聖”な存在なのですから、利子で儲けるなど神に対する冒涜になるわけです。

では、アイザック・ニュートンが何をしたのでしょう?もちろん、彼は得意の数学的才能を駆使して「万有引力の法則」を世に知らしめたのですが、彼の”業績”はそれだけではありません。ニュートンはその数学の師匠であるルネ・デカルトが考えていた宗教的宇宙物理観をひっくり返してしまったのです。

それはどういうことかと言うと、前述のようにニュートン以前は万物は神のパワーで動かされていると考えられていたので、物自身に独自の力があり、勝手に動いたり、引っぱったりはしないことになっていたのです。ところが、「万有引力の法則」はその神のパワーをばっさり取り去って、物自体に力(引力)があると数学的に示したのです。これは、それまでの人々の宇宙・世界観そして宗教観に決定的な影響を与えました。俗にいえば、神の呪縛から自由になったのです。ニュートンが近代科学の祖と言われる所以はそこにあります。

物はそれ自身独立した存在であり、神であろうと何であろうと、それに勝手に影響を与えることはできないという「唯物主義思想」がそこに生まれました。それは人間理性の勝利であり、また科学的実証性が近代人類の普遍的価値観の基礎になったという意味でもあります。

そしてそれまで隠れてやっていた”利子”が晴れてその権利が認められて合法的になったのです。

私たちは、科学的理性を尊重するように教育されて来ました。世の中の出来事や存在に感情や気持ちをはさむことは、客観的判断を誤るとされて来ました。そして数学が至上のものとされて来ました。物には感情などなく、ただ存在し、性質と量や数や重さがあるだけだと教えられて来ました。昨今の拝金思想やモノ崇拝に始まる人間性の喪失や混乱は、いまの政治経済文化システムがたしかにその要因をつくっていますが、その根源的なルーツはこの近代科学中心主義であり、それに端を発した非人間性的ハイテク文化が人類に蔓延していると思うのです。

真の人間性を忘れ、人間のいのちを害する行為や状態を私たちは”暴力的”と言います。その意味で、科学中心主義に根ざした今の文化は基本的に暴力的文化なのです。健康保険会社が儲けのために人 々の健康を害する食品販売に加担するのは暴力的行為ではありませんか。私たちの銀行に預けたお金が、戦争に使われるのは暴力的行為ではありませんか。必要悪だと言って、地球から莫大な量の石油を毎日掘りあげ、ガソリンとして使って大気を汚染し、また廃棄処理不可能なプラスチックに加工して世界中にばらまくことは?農薬は?学校教育は?病気の治療は?民主主義は・・・?

公平 か、正当かにかかわらず、それは事実です。人間性を忘れた科学そのものが暴力的であり、それに支えられている現代社会のあらゆるシステムそのものも本質的に暴力的だと言っても過言ではないでしょう。

ですから、どんなに今の政治経済システムをいじくっても、現代の人々の考え方を支配しているその科学的概念や価値観が変わらない限り、根本的な問題解決にはならないでしょう。

ちなみに、ニュートンの言う”万有引力”、つまり重力が本当にあるのか実証されてはいません。それはあくまで数式からの仮説に過ぎないのです。リンゴがなぜ落ちるのか?当たり前に思えるその理由が証明されていません。

いま望まれるのは、唯物主義的観念に陥っている近代科学に代わる真の科学の登場です。だからといって、またニュートン以前の”神の科学”に戻ろうというわけではありません。人間の精神性や宇宙エネルギー(東洋では”気”と呼びますね)などの形而上的存在と形而下的存在を統合する新しい”非暴力的”な科学です。平和の科学と言っても良いでしょう。

それがもうすぐ人類にもたらされる予兆を感じています。

金曜日, 1月 29, 2010

ハワード・ジン:如何に戦争なしに正義の戦いをするか?

ハワード・ジンささんのJPG

昨日、アメリカの歴史学者で平和活動家のリーダーであったハワード・ジンが亡くなりました。ここに追悼の意を表します。

ハワード・ジンは、彼のもっとも有名な著書『民衆のアメリカ史』(A People's History of the United States)でそれまで学校では教えなかった本当のアメリカ史をアメリカ国民に伝えることで、重要な歴史的視野の変換を一般に与えました。ジンの一生は、戦争の醜さ、悲惨さを訴えると同時に、それを変えるのは人々のパワーであることを主張し貫いた平和活動であったと言えるでしょう。

私は、10年ほど前に彼の住むボストンでいっしょにランチをご馳走になったことがありましたが、容姿から想像したとおり、じつに温和な紳士という印象で、どこにあの体制側から恐れられている反抗パワーが潜んでいるのかと不思議に思われたほどです。昨年彼のバイオグラフィーと言えるDVD(Howard Zinn: You can't be neutral on a Moving Train)(未邦訳)が出ましたが、ジンの徹底した民衆の立場に寄り添った反抗精神にはこころを動かされます。アメリカを代表する知識人で平和主義者のひとりにノーム・チョムスキーがいますが、チョムスキーがあくまでも「静」のアカデミックだとすれば、ジンは「動」のアカデミックと言えるでしょう。


今朝のエミー・グッドマンの「デモクラシー・ナウ」で、追悼特集番組を放送していましたので、そこから彼の過去の講演の一部を紹介します。

ハワード・ジンは第二次世界大戦に2年間半空軍の爆撃手として参戦しています。これはそのときのことを回想しているところです。当時は23歳でした。

ハワード・ジン:私たちは爆撃作戦はもう終わったと思っていました。戦争は終結する寸前でした。1945年4月のことですが、(欧州)戦争は1945年5月に終結したと覚えています。これは戦争が終わる数週間前の話です。だれもが戦争はすぐ終わると思っていました。私たちの軍はフランスからドイツに侵攻していました。でも、フランスの大西洋岸に面したロヤンという小さな町付近にまだドイツの小隊がいたんです。それで空軍は彼らを爆撃することにしました。1,200機の重爆撃機編隊です。その一つに私がいました。この小さなロヤンの町上空に飛んでナパーム弾を落しました・・ヨーロッパ戦線で初めてのナパーム弾の使用でした。

私たちがやったことで何人の人々が殺され、何人が負傷したのか、私たちは知りません。でも、私はほとんどの兵士たちのように、何も考えず、ただ機械的に、私たちは正義の側だ、やつらは間違っている側だ、だから好きなようにしていいのだ、それでいいのだと思ってそれをやりました。そして、その後になって、戦争が終わってからすぐ後で、ジョン・ハーシーのヒロシマを読んで、ヒロシマサバイバー(生存者)たちのことを、その人たちがどんな体験をしたかを読んで、その時になって初めて爆撃が人間に与える影響について考えるようになったのです。爆弾を落とされる地上の人間たちにとってそれがどういう意味なのか、その時初めて考え始めたのです。私は爆撃手として3万フィートの上空にいて、叫びも聞こえず、血も見えないからです。それが近代戦争というものです。

近代の戦争では、兵士は発砲し、爆弾を落とします。彼らには、発射している相手の人間たちに何が起こるのか何の考えもありません。すべて遠くから操作されるからです。そうやって恐ろしい惨劇が起こるのです。そして私はこう思います。あの空爆を思い出して、そしてヒロシマのこと、そして市街地への他のすべての空爆、ドイツと日本の市街地の大勢の市民たちの殺害、一晩で10万人が殺された東京大空襲、これらがすべて私に、戦争は、たとえ第二次世界大戦のようなファシズムに対する正義の戦争であっても、いかなる基本的な問題解決にはならないことを気づかせてくれたのです。それはどちら側の人間にもすべてに常に有害なものです。私たちはそれをイラクで見ています。そこでは兵士たちのこころが、求められていない土地にいる占領軍であることで毒されているからです。そのことがもたらす結果は酷いものです。
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そしてこれはほんの2ヶ月前の11月にボストン大学で行った最後の講演の一つからです。

ハワード・ジン:私たちが何を言われようと、どんな独裁者がいようと、どの国境が侵されようと、どんな抑圧があろうと、独裁者や抑圧の前に何もしないというのではありません。違います。問題解決に戦争以外の方法を見つけようと言っているのです。なぜなら、戦争は間違いなく・・避けようがなく・・大勢の人々を無差別に大量殺戮するからです。あらゆる戦争は子どもたちに対する戦争だからです。



ですから、たとえば、ただサダム・フセインを取り除けばいいのではありません。私たちがサダム・フセインを排除しましたね。その過程でサダム・フセインのために犠牲になっていた多くの人々も殺しました。専制独裁者に対する戦争をしたら、あなたたちは誰を殺すのですか。あなたたちは独裁者の犠牲者たちを殺すんです。とにかく、このことはすべて・・これはすべて戦争について考え直す機会を与えてくれました。そして、今私たちは戦争しているんですよね?イラクでアフガニスタンで、そしてパキスタンでも。私たちはそこにロケットを送ってパキスタンの罪のないひとびとを殺しているんです。ですから、私たちはそれを受け入れてはいけないんです。

私たちは平和運動が一緒になるようにすべきです。本当に、いくつかの平和団体が合同するようにすべきです。最初はこじんまりして、なにか頼りないように見えるかもしれません。でも運動とはそうやって始まるんです。そうやってベトナム反戦運動は始まりました。まったく無力だと、パワーのないと思っていた一握りの人たちで始まったのです。でも、覚えておいて下さい。トップにいる人たちのパワーは下にいる人々の服従がなければあり得ないのです。人々がいったん服従することを止めた途端、彼らはパワーを失うのです。労働者たちがストライキをすれば、巨大な企業もパワーを失います。消費者が不買運動をすると、巨大なビジネス組織も頭を下げます。ベトナムで多くの兵士がしたように、多くの脱走兵がしたように、ベトナムで上級兵に対する暴力的反抗行為が数多くあったように、B-52パイロットたちが爆撃命令を拒否したように、多くの兵士たちが戦闘を拒否すれば、戦争はつづけられないのです。そうですよ。人々にパワーがあるんです。もし人々が組織をつくり、反対運動をし、大きな力のある運動を起こせれば、彼らが変化を起こせるのです。私がいいたいことはそれだけです。ありがとうございました。
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でも、アメリカの主要マスコミのハワード・ジンに対する評価は低かったようです。それもそうですね、彼は権力体制に抵抗するいわゆるディセント(Dissent)に徹していましたから、基本的には権力体制擁護というか、その体制そのものであるマスコミからは敬遠されていたのは当然です。たとえば、ニューヨークタイムズは予測される約1,200名の著名人の死亡広告をすでに準備しているのですが、それにはハワード・ジンは入っていなかったそうです。それで、急遽AP通信の死亡記事を載せたのですが、それにはそれこそ体制側の歴史学者であるアーサー・シュレージンジャーの「(ハワード・ジン)は私のことを危険な反動主義者と思っていることは知っています。彼は私にとって重要視する存在ではありません。論客であって、歴史家とは言えないでしょう」という言葉を引用しているほどです。

デモクラシー・ナウでゲストのナオミ・クラインはそのことについてこう言っています。

ナオミ・クライン:彼にはニューヨークタイムズなど必要ないと思います。高名な歴史学者もいらなかった。彼はみんなのお気に入りの先生だったんです。人生を変えてしまうような先生だった。それこそ何百万の人々の人生を。私たちはそのみんながお気に入りの先生を失ったんです。でも、ハワード・ジンのやったことは、単に彼が教えたことがナショナリズムや英雄的人物についての従来の幻想を打ち砕いたというのではありません。それは、人々に自分自身を信じること、そしてそのパワーが世界を変えることを伝えたことです。ですから、あらゆる素晴らしい教師がしたように、彼はその教えをすべて残して逝ったんです。私たちはだれでもハワードのように少しでもなるように努めるべきだと思います。

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ありがとう、ハワード。

土曜日, 1月 23, 2010

企業にも人権?

昨日、アメリカの最高裁判所が民主主義の根幹にも関わる非常に重大な判決を下しました。市民連合対連邦選挙委員会の裁判で、裁判官が5対4の僅差で、これまで制限されていた企業や組合などの組織による選挙運動への資金支援を無制限に許可することを認めたのです。

消費者運動のリーダーであるラルフ・ネーダーは、”腐敗している我々の選挙システムをさらに完全に企業が支配することになり、すでに弱体化している我々の民主主義の基盤を揺るがすものだ。とんでもないことだが、企業はすでに政治活動委員会(PAC)を使って従業員や株主たちに献金を募って選挙候補者に圧力をかけたり金を握らせたりしている。この判決で、今や企業はその圧倒的な資金力を、すでに企業による選挙献金であふれている中にさらに注ぎ込むことができる。”と批判しています。

これはまた、憲法で保障されている” 米国憲法修正第1項・「言論の自由」”という基本的人権を企業にも認めるかという論議にたいする決定でもあります。つまり、この判決によって企業にも政治的発言、政治的関与が認められたわけです。こんにちでもロビーイングによって莫大な影響力をワシントンで展開しているアメリカの巨大な石油会社やウォールストリートの金融企業が、さらに直接政治に関わって来ることを意味します。同時に、一般市民やNGOの声はますますワシントンから遠のいていくでしょう。

ところで、企業とは一体なんでしょう?

「企業とは、営利を目的として一定の計画に従って経済活動を行う経済主体(経済単位)である。家計、政府と並ぶ経済主体の一つ。国や地方公共団体が保有する企業を公企業、そうでない企業を私企業という。通常は企業といえば私企業を指す。日常用語としての「企業」は多くの場合、会社と同義だが、個人商店も企業に含まれるので、企業のほうが広い概念である。
広義の企業は、営利目的に限らず、一定の計画に従い継続的意図を持って経済活動を行う独立の経済主体(経済単位)を指す。」(ウィキペディア)

要するに経済活動を行う人間たちが創造した集合体ですね。

日本には法人という呼び方もあります。これは、「生物学的にヒトである自然人ではないが、法律の規定により「人」として権利能力を付与されたものをいう」そうです。今回の判決は企業に「人」としての政治的権利能力をも認めたということでしょう。

日本では、たとえば経団連が巨額の選挙資金を特定候補に注ぎ込むというような例はまだないと思いますが、遅かれ早かれ今回のアメリカでの判決による影響が日本の政治状況にも及ぼすことが案じられます。

グラニーDのJPG

もちろんアメリカの市民団体は今回の判決に民主主義の危機を感じています。これまでの政治運動は、いかに企業の影響を防いで、市民の声を政治に反映させるかということに尽きるからです。以前ワシントンで開かれた全米平和省会議に行ったとき、たまたま民主党大会で会った有名なグラニーD(100歳!)は、そのようなアメリカの市民運動を代表する人格者ですが、「10年前(当時は90歳でした)私はカルフォルニアからワシントンまで歩いて、選挙改革法案への支持を訴えました。それは、私たちの民主主義が少数の富める者たちによって抑え込まれているからです。私たちはそれに対して何かしなければなりません。私は講演やインタビューを何百回もし何千人に話しかけてきました。そして国中の至る所で人々が現在の政治状況にうんざりしている事実に心を動かされました。さて、最高裁判所が水門を開いて企業資金のつなみを政治にまで及ぼすことを認めました。もし私たちが民主主義を守りたいのなら、新しい公正な裁判所になるまで、新しい方向の運動を始めなければなりません。」と訴えています。

ますます市民たちと自己の儲けだけを追求する企業との対決という世界状況になってきたようです。

日曜日, 6月 14, 2009

オバマの挑戦

就任以来のオバマ大統領の報道されている政策を見ていると、オバマこそイルミナティの手先ではないですかと、という質問をよくされます。

これはある一面では正しいです。たしかに、軍事予算の増加とかアフガニスタンやパキスタンへの増兵と言った、外交政策面のことは大々的に報道されます。それだけ見れば、なんだブッシュと何も変わらないではないか、と思うのも当然でしょう。

でも、彼が大統領就任以来力を入れて来た国内での教育やエネルギー、環境といった地道な改革政策のことはほとんど報道されません。

そして今オバマがもっとも力を注いでいるのが、医療改革、つまり新しい国民健康保険法の設立です。

みなさんはマイケル・ムーアの「シッコ」”Sicko"を観ましたか?アメリカには医療保険がない、持てない層が4、000万人もいるのです。世界で最も豊かな国なのにです。ヨーロッパやカナダ、オーストラリアなどの先進国で国民健康保険がない国などほとんどありません。日本でも、問題はいろいろありますが、少なくても政府が保障する国民健康保険がありますね。ところが、アメリカでは基本的に医療保険システムの管理運営はすべて民間なので、保険会社といわゆる医師会の自由裁量になっています。その結果、医療そのものが儲けの対象になって、保険金が払えない貧乏人は病院で治療を受けられないという実状になっているのです。実はこれはアメリカでは100年も昔からそうなっているのです。その理由のひとつに、国家(政府)はみだりに国民の生活に介入してはいけないという“アメリカの自由思想”があります。とくに、医師の活動を制限するような、市民に生命に関わるようなことには、アメリカ人は”敏感”なのです。

そして、国民健康保険は政府が保険と医師活動を制限するものだから”社会主義”だというレッテルを貼られてこれまでもことごとくそれらの医療改革法案は潰されて来ました。その最大の影響力を持つのが全米250,000人の医師を有する米国医師会であり、その背後にそれを支える医療保険業界があります。最近ではクリントン政権のときに、ヒラリーがやろうとして潰されたことは記憶に新しいですね。ルーズベルト大統領やトルーマン大統領たちも失敗しています。

そして今回、オバマ大統領が最大の国内課題としてそれに挑戦しているのです。実は明日6月15日にかれは米国医師会で演説するのですが、それがどうなるのか見物です。

もちろん、オバマの医療保険改革に反対する保険業界はこぞって大金を注ぎ込んでこれを阻止しようとロビー運動をワシントンで行っています。今年の夏にはオバマはこの法案を通したいと言っているので、そこが山場になるでしょう。

このほかにも、今、イルミナティの最大の牙城とされるアメリカ連邦準備銀行がこれまでやってきた闇の取り引きが、連邦議会でロン・ポール議員たちによって明るみにされようとしています。

オバマがイルミナティの手先だったらこんなことになるでしょうか?

月曜日, 1月 26, 2009

オバマの公約

バラク・オバマ大統領の就任式での演説の中で、こういう件(くだり)がありましたね。

”私たちの国はキリスト教、イスラム教、ユダヤ教、ヒンドゥー教、そして無宗教者からなる国家だ”。

そう、三大宗教のひとつである仏教が入っていないのです。

アメリカの仏教は、アジアからの移民が近年とみに増えてきているので、当然無視できない宗教なはずです。実際、アメリカ人の宗教に関する2007年の統計によれば、ダントツのキリスト教、そして無宗教、ユダヤ教、に次いで4番目に大きい宗教なのです。

早速、ある新聞などではオバマがなぜ仏教を無視したのか、その理由をいろいろと憶測しています。これは、日系人やアジア系に対する偏見だとか、引いては、日本や東洋文化への軽視で無知の象徴だといった極論も出て来ています。

さて、ラマ・ダスというアメリカ人のチベット仏教僧侶(ラマ)は、70年代のニューエイジスピリチュアルムーブメントを代表する存在だったことで有名です。私は20年ほど前に、オレゴンで彼の講演を聴いたことがありますが、その聴衆を沸かす話術は素晴らしいものだったことを覚えています。彼はダライ・ラマと特に親密な関係があることでも知られています。これは、そのラム・ダスから廻って来た情報です。

ダイアン・ファインスタインというカリフォルニア選出民主党議員の旦那さんのリチャード・ブルムも熱烈な仏教支持者として知られています。彼もオバマの就任式の時に式台のところにいました。

宣誓式の前、彼はダライ・ラマからもらった白いカータというシルクのチベットのスカーフを持っていることをバラク・オバマに言ったそうです。(カータはチベット仏教の様々な儀式の際に使われる神聖なるスカーフとされています。)

ブルムによると;

「私はオバマ大統領に、もしよかったら手に入れてあとで贈りますよと言ったんです。彼は、いやいいよ、これを使わせてもらうよと言って、それを持って演台に上がったんです。実際、彼が宣誓する間そのスカーフはポケットに入っていたんです」。

オバマ新大統領がどのような気持ちで、そのスカーフをポケットに入れていたのか、もちろん分かりませんが、少なくても仏教に縁のある人たちはこれを聴いてほっとしたのではないでしょうか。

オバマ新政権の布陣メンバーが、あまりにも保守派どころかタカ派といってもいい顔ぶれなので、”Change"を期待して選挙を応援して来た人々から、痛烈なオバマ批判が飛び交っています。

でも、21日はオバマ大統領のホワイトハウス執務初日でしたが、ブッシュ政権から留任させたロバート・ゲーツ国防長官、マイケル・マレン統合参謀本部議長そしてデービッド・ペトラエウス中央軍司令官というアメリカ軍トップ3人をホワイトハウスに呼んで、イラクでの今後の政策を協議しました。その際、この3人は、オバマ大統領が選挙中から公約している16ヶ月以内にイラクからアメリカ軍を全面撤退させるというのは、非現実的であり、その後のイラクの治安が保証できないから、撤回して欲しいと申し入れたのですが、オバマ大統領はその3人の意見を抑え込んで、公約どおり16ヶ月以内にイラクからの撤退を完了するように命じたそうです。

何か、この記事を読んだ時に、ほとんど1年前まで無名だった若干のオバマが、アメリカ軍のトップである3人の将軍を前に、大統領として反対を押し切って、毅然と命令を下した様子が目に見えるようで、すごい人間が大統領になったという感じを受けました。

土曜日, 11月 01, 2008

ジョン・マケインとニューパールハーバー

第2回『911真相究明国際会議』のJPG

1999年9月23日、サウスカロライナのサイテイダル防衛大学で、当時テキサス州知事のジョージ・W・ブッシュは彼のアメリカの計画について講演しました。そのブッシュの話には、アメリカ新世紀プロジェクト(PNAC)の考えがはっきりと反映されていました。

アメリカ新世紀プロジェクト(PNAC)というシンクタンクは、今の共和党大統領候補ジョン・マケイン上院議員が中心になって1997年に創設されたネオコングループです。

ブッシュの講演は、PNACが2000年9月に出した「アメリカ軍備再編:新世紀への戦略、軍事力および予算」報告書の内容そのままでした。PNACは、ジョージ・ブッシュ(父)政権の末期に、当時のディック・チェイニー長官が卒いる国防省によって、1992年度国防政策ガイダンスの中で概説された防衛戦略に基づいています。

ウォルフォウィッツ報告書としても知られるこのガイダンスは、ライバルとなるような大国の出現を妨げて、アメリカの覇権を維持することで、”アメリカの基本方針と利権に沿った国際的安全保障を形成するための青写真”になりました。しかし、このガイダンスが正式に認可される前に、ニューヨークタイムズとワシントンポストにその内容が漏れてしまいました。そして、ソ連が崩壊したのにもかかわらず、大きな軍事費を維持させようという冷戦時の軍人たちのもくろみだと批判され、クリントン政権によって葬られました。PNACはこのチェイニーの一度死んだ計画を再生させようと作られたシンクタンク組織です。

ブッシュはサイテイダル防衛大学の講演でこう言っています。「もし大統領に選ばれたら、3つの目標をおきます。まず大統領と軍との信頼を回復します。アメリカ国民をミサイルとテロから守ります。そして次世紀の軍を作り始めます」、そして「私が選ばれても、できた新しい軍を統率することにはならないでしょう。それは私の次の大統領がやることになるでしょう。私たちの仕事の結果を見るのには何年も掛かると思います」。

明らかに、PNACの目的を遂行するためには、ブッシュの後継者はその目的に忠実でなければなりません。その人間は、クリントンのように、異なる考えを持っていてはまずいからです。今のところ、この条件を満たす候補者はジョン・マケインだけです・・彼は、前述したように、PNACの主な創始者でした。それに加えて、彼の選挙対策担当者たちとマケイン政権のメンバーとなるべき人間たちは、ほとんどが元PNAC幹部と協賛者たちで成り立っています。それには、ウィリアム・クリストル(ネオコン知識人のひとり、元PNAC議長、現在マケイン候補の外交政策アドバイザー)、ロバート・ケイガン(PNACの創始者のひとり、現在マケイン候補の外交政策アドバイザー)、ランディ・シューンマン(ロビイスト、PNACのメンバー)、ジェームズ・ウールズィ(元CIA長官)、ジョン・ボルトン(元米国連大使)、リチャード・アーミテージ(元軍人、元国務副長官)などがいます。

ここで2つの重要なことが考えられます。まず、ブッシュ/PNAC政権にとって、この選挙は10年越しの計画とその実施が掛かっていること。第二に、マケインが大統領になれば、ブッシュ/PNACの軍拡路線が確実にまた4年間引き継がれるということです。

ブッシュ大統領はイラクを”悪の枢軸”と呼びましたが、レーガン元大統領は旧ソ連を”悪の帝国”と呼んでいました。冷戦という緊張関係を保って来た2大超大国のひとつのソ連が1991年に崩壊してしまうと、アメリカ帝国の建設を夢見るタカ派保守陣営は、”帝国”という言葉を避けて、パクス・アメリカーナ(米国支配による平和)建設のために、アメリカはそのパワーを行使すべきだと公言するようになりました。

その中心にいたのが、チェイニー副大統領やドナルド・ラムズフェルド元国防長官を含むネオコンたちです。

しかし、世界は冷戦後の平和を享受しようという雰囲気が行き渡り、軍備縮小・軍事費削減が叫ばれていました。ネオコンたちは、それに危機感を抱いていました。

それで、PNACは2000年9月に出した「アメリカ軍備再編」という文書の中でこう述べています。「この軍再編にはたぶん時間が掛かるであろう。しかし、なにか破滅的な触媒となる誘発的な事件、新しい真珠湾攻撃のような、が起きれば別である」。

それまで参戦に80%が反対だった国民の心理を180度ひっくり返して、一夜のうちに100万人が兵に応募するきっかけになった、日本軍の真珠湾奇襲攻撃のことを言っていることは明らかです。

ネオコンたちが夢見る”パクス・アメリカーナ”というアメリカ帝国建設に必要な軍事的戦略を押し進めるには、同じような破壊的な事件が起こることが必要であろうということです。


そして、案の定、ブッシュ・チェイニー政権ができてまもなく、9・11が起きると、それは”ニューパールハーバー(新しい真珠湾攻撃)”と広くよばれるようになったのです。

今,そうですね、昨夜は神戸で、今日は大阪で講演している来日中のデヴィッド・レイ・グリフィン博士は、早くからこのネオコングループの”陰謀”を見抜き、その呼び名をとって、2004年にベストセラーとなった「ニューパールハーバー(邦題:9・11は謀略か)」を書いたのです。ベストセラーになれば、当然主要マスコミに書評がでるのが通常ですが、今だに、ひとつも取り上げたマスコミはありません。不思議ですね。

明日は、グリフィン博士は名古屋で、明後日3日は東京での9・11真相究明国際会議で講演です。前売り券(5,000円)は明日まで、サンクスかファミリーマートのコンビニのチケットぴあで購入できますので、この際ぜひ博士の理路整然とした反論の余地のない話を聴いてください。

(この文章の一部はTRUTHOUT/OCT30からの抜粋です)

月曜日, 8月 18, 2008

バラク・オバマの飛行機?

先月7月7日、アメリカ大統領予備選挙キャンペーン最中のバラク・オバマが乗ったチャーター機(マクドネルダグラスMD-80) が、次の遊説先チャーロットに向かってシカゴ空港を離陸後まもなく、”予期せぬ軽い問題”で予定を変更してセントルイス空港に着陸したと報道されました。

ABCのJPG

ところが、8月14日のABCニュースは、連邦航空局(FAA)が発表していたような”軽い問題”ではなく、じつは大変な事故になっていたかもしれないことを暴露したのです。ABCが入手したパイロットと管制官との当時のやり取りの録音テープから以下のような真相が明らかになったのです。

シカゴ空港を離陸後まもなく、パイロットはジェット機のピッチ(上昇下降)制御が効かないことに気づき、連邦航空局の管制官に”非常事態”を通告し、セントルイス空港に緊急着陸の用意をするように伝えました。チャーター機が緊急着陸態勢に入って、3万フィートから1万フィートに下降すると、不思議なことにピッチ制御は正常に戻り、無事に着陸できたのです。

もちろん、オバマと随行のプレス関係者たち51人も胸を撫で下ろしたことでしょう。

それまで連邦航空局は”非常事態”はなかったと言っていたのですが、ABCから言われて”緊急着陸”したと発表し直しました。

マシュー君の言ったことを思い出しませんか?

金曜日, 6月 13, 2008

欺瞞の文化のワシントン

スコット・マクレランのJPG

昨日のブログにTolioさんからコメントをもらいましたが、元ホワイトハウスの報道官がブッシュ政権についての暴露本を書いたということでした。

欺瞞の文化のワシントンのJPG


その著者であるスコット・マクレランが昨日のデモクラシー・ナウにゲスト出演していましたので、興味ある方はごらんになってください。トランスクリプトもありますよ。

本のタイトルは「ブッシュのホワイトハウスと欺瞞の文化のワシントンで起きたこと」というとんでもないものです。

マクラレンによれば、
CIAの情報漏洩事件では元補佐官のカール・ローブとルイス・スクーター・リビーは彼にウソを言っていた、コーポレートメディアはブッシュ政権と共謀して国民をイラク侵略戦争に支持するよう仕向けた、ハリケーンカトリーナに関してホワイトハウスは無頓着だった、イラク国民の苦しみにはホワイトハウスはまったく無関心で、イラクの膨大な死者数が話題になることもなかった、また、良心に問われて批判する立場に変わったなどと述べています。

それにしても、いつも思いますが、こういうひとたちが世界政治の頂点であるホワイトハウスの責任ある人間だったなんて・・・ひどい話しですね。

欺瞞の文化のワシントンですよ!!