水曜日, 1月 31, 2007

1月30日ロスにて

長寿の秘薬

『最近、警察は永遠に若さを保てるという「長寿の秘薬」を売っている男を逮捕した。
警察が調べると、この男は過去に4回も同様な薬事詐欺行為で捕まっていた事が判明した。
1794年、1856年、1928年、1983年に・・・・・?』

アメリカ人はジョークが大好きですね。毎日こんな話をお互いやりあって喜んでいる、まあ陽気な国民です。

この日曜日の反戦デモも、これがそうなの?と思えるほど参加者が趣向を凝らした衣装や気の効いたプラカードで思いっきり楽しんでいる風でした。これなら誰でも参加したいと思えます。ワシントンでは約30〜50万人も参加したそうです。私たち家族は、ひさしぶりに再開した友人家族と現地で合流して、1時間のサンフランシスコ・デモ行進をしました。1万人ほどいたようです。ちょうど3年前にも、同じ場所でイラク参戦反対のデモに参加したのですが(このときは25万人)、真生はまだ2歳で乳母車を押しての行進でした。ですから子どもたちも慣れたもので文句も言わず行進を楽しんでいましたが、さすがに最後の方は疲れて抱っこになってしまいました。

今回のアメリカへの旅で感じるのは、国民がおしなべて反戦になっていることです。3年前にくらべれば大きな違いです。いままでノンポリで政治的なことには無関心という主婦たちが、ブッシュは間違っていると言い始めています。国民の意見と政府がこれほど乖離してきたことは、近年稀ではないでしょうか。

ところが、ブッシュやチェイニーは強硬です。なんとしても戦争はつづけると言っています。一方で、ブッシュ政権を支えていた側近たちが、CIAエージェント漏洩事件の連邦裁判で追いつめられ真実を語り始めているので、いつ爆弾逮捕が起きてもおかしくない緊迫した状況にもなっています。さて、議会がどこまで政府を糾弾し行動できるのか、これから目を離せません。国民の関心を逸らすためにイラン攻撃をすることも考えられます。まあ、とんでもない大統領をもったものです。

明日は、注目のワシントンDCに行きます。アメリカ平和省会議に参加するのが目的ですが、もうひとつ、エディーという自然エネルギー研究者を訪ねることになっています。彼は永久磁石とレーザーを利用して永久エネルギー装置を開発中の天才です。

土曜日, 1月 27, 2007

1月26日サンフランシスコ

アメリカに来て早いものでもう10日になります。いまはサンフランシスコ郊外のサンブルノという松林に囲まれた小さな町に滞在しています。比較的温暖なロスアンゼルスから車で海岸線を北上してやってきましたが、さすがにここは寒く、たぶん気温は8〜10度くらいでしょう。今日は朝から冷たい雨が降っています。

ここから西へ、サンフランシスコ湾を越えたところにローレンスリバモア核兵器研究所があります。最近、そこが驚くべき発表をしました。劣化ウランの爆発実験を野外でやるというのです。問題は、このニュースを誰も知らないことです。私は、長年放射能の危険性を訴えているジャーナリストのボブ・ニコルズにバークレーで会って知りました。彼が書く記事はほとんどサボタージュされてしまうそうです。核問題に関してはまったく知らぬ存ぜぬのアメリカのメディアがこの発表を記事にする事はありません。イラクや各地でたくさんの被害者を出している核兵器が、目と鼻の先で爆発実験されるというのに、その影響を確実に受ける700万のサンフランシスコ市民は何も知らされないのです。ボブは、サンフランシスコ選出のもっとも革新リベラルとされるバーバラ・リー下院議員にこのことを訴えましたが、いまのところ何の返事もないそうです。

なによりも驚かされるのは、サンフランシスコという大都市の郊外(車で30分)に核兵器研究所があるという事実、それがもう半世紀以上にわたって核物質を環境中にばらまいてきている事実、そして、誰もそのことを問題にしないという事実です。劣化ウラン問題を国際的に訴えているローレン・モレは、かつてこのリバモア研究所員でした。研究所の周りの放射線汚染を調べてびっくりしたそうです。リバモア市でも一時それが問題になったのですが、結局安全値以内ということになったそうです。

じつは今日ローレンスリバモア研究所を見学に行こうかなと思っていたのですが、ゆみがそんな危険なところはごめんだというのでやめにしました。

明日は、全米で反戦平和デモが計画されています。私たちもサンフランシスコ市内へ地下鉄で行きます。雨でなければいいのですが。ちょうど3年前同じ反戦デモに参加しました。25万人のデモです。アメリカはいまでも戦時下です。市民のほとんどはもう止めようと言っているのに、ブッシュ政権は2万3千人のイラク増兵を決めました。さて、明日はどのくらいの人が参加するでしょう。

月曜日, 1月 15, 2007

1月15日沖縄

1月7日からの沖縄滞在も、あっという間に帰る日になってしまいました。ここでの楽しみはいろいろありますが、食い道楽の私たちにはなんといっても沖縄料理。普段は肉を食べる事はほとんどないのですが、じっくり野菜と煮込んで脂分を落とした豚肉料理には目がありません。ラフテー、てびち汁、ソーキ汁(そば)など沖縄独特の他では味わえない料理です。もちろんゴーヤ料理も大好物。沖縄は冬が野菜の旬なので、本土ではないものがここでは豊富に手に入ります。おかげでゆみも私もだいぶ体重が増えたようです。そうそう、ソーキとは沖縄語で肋骨のこと。沖縄の神話伝説を読むと、キリスト教聖書と同じ事が書いてあるのにびっくり。この世に男が最初に現われて、その肋骨のひとつから女が生まれて来たと。フランシスコ・ザビエルよりもっと前にキリスト教をこの島に伝えた人がいたのでしょうか。沖縄、とくに那覇の町を歩くと、教会がやたらと多いのにきづきます。それにひきかえ仏教寺院はほとんど目にしません。沖縄は神の国という意識がそうさせているのかもしれません。一昨日は、いつも那覇でお世話になるオペラシンガーの金城久美子の案内で、もっとも聖なる島とされている久高島に船で渡りました。ここは女性の神人たちによるさまざまな神事で有名です。久美子さん自身も久高島でスピリチュアルな経験を来るたびにすると言います。小さな島をみんなでレンタルした自転車でゆっくり回りました。穏やかな陽気のもと、植物の緑と海の青さそして珊瑚の砂の白さの絶妙な配色におもわず思考停止になります。ここが初めて神が地上に降りた、いわゆる天孫降臨の地だと言われるのももっともだと思いました。ありがたい命のエネルギーをいっぱいもらって船で那覇にもどりました。今回も沖縄の素晴らしい人たちに出会い、助けられ、楽しい旅ができました。ありがとう。さあ、これから寒い国へもどります。

金曜日, 1月 12, 2007

1月11日日本の教育費

1月7日の朝日新聞、日曜版の「あっと@データ」記事から。経済協力開発機構(OECD)が去年発表した、大学の学費など高等教育費の家計負担率を加盟国各国と比較した表が載っていました。ちょっと驚きです。というのは、どうやら私たちは、日本が歴史的に教育に国をあげて力を注いでいる国というイメージをもっていると思うからです。ところが、実際はどうでしょう。

加盟国の中でもっとも教育費の家計負担率が高いのが日本で60.3%なのです。そして2番目が韓国、次にアメリカ、オーストラリア、イタリア、イギリス、フランス、トルコ、デンマーク、ギリシャ(なんと100%公費で賄っている)となっていました。公費負担、つまり国が教育に掛ける割合は、日本は39.7%で最下位の韓国についで2番目。でも、ここ数年で公の負担率はさらに減りつづけているそうです。

教育財政支出削減で大騒ぎしているアメリカでさえ半分は公費です。国内総生産(GDP)比でも日本は0.6%で最低なのです。要するに、世界の標準から見て、日本ほど国が教育に不熱心なところはないのです。実質的には、国民の家計で教育が支えられているわけです。

国の将来を担う子どもたちの教育を公費で賄うのは当然というのが世界の常識です。ところが日本ではそれが無視され、そして誰も文句を言わない。なんと異常な国でしょう。

日本ほど私立大学が多いのはほかにないそうです。大学生の72.4%が私立大に通っています。専門学校も90%以上が私立で、結局、進学者の80%以上が学費の高い私立に通っているのです。

これで日本が世界有数の高い大学進学率を誇っているなどと自慢しているけれど、私たち国民(親たち)が乏しい家計から、泣く泣く子どものために学費を支払っているのが実態なのです。

あの教育基本法改正騒動はいったい何だったのでしょう。政府は実質的に世界最低の教育予算をさらに削って、子どもたちに国を愛する教育を指導するのだそうです。

こんなメチャクチャの教育政策に翻弄されている国民を情けないと思うべきなのでしょうか?