消費者運動のリーダーであるラルフ・ネーダーは、”腐敗している我々の選挙システムをさらに完全に企業が支配することになり、すでに弱体化している我々の民主主義の基盤を揺るがすものだ。とんでもないことだが、企業はすでに政治活動委員会(PAC)を使って従業員や株主たちに献金を募って選挙候補者に圧力をかけたり金を握らせたりしている。この判決で、今や企業はその圧倒的な資金力を、すでに企業による選挙献金であふれている中にさらに注ぎ込むことができる。”と批判しています。
これはまた、憲法で保障されている” 米国憲法修正第1項・「言論の自由」”という基本的人権を企業にも認めるかという論議にたいする決定でもあります。つまり、この判決によって企業にも政治的発言、政治的関与が認められたわけです。こんにちでもロビーイングによって莫大な影響力をワシントンで展開しているアメリカの巨大な石油会社やウォールストリートの金融企業が、さらに直接政治に関わって来ることを意味します。同時に、一般市民やNGOの声はますますワシントンから遠のいていくでしょう。
ところで、企業とは一体なんでしょう?
「企業とは、営利を目的として一定の計画に従って経済活動を行う経済主体(経済単位)である。家計、政府と並ぶ経済主体の一つ。国や地方公共団体が保有する企業を公企業、そうでない企業を私企業という。通常は企業といえば私企業を指す。日常用語としての「企業」は多くの場合、会社と同義だが、個人商店も企業に含まれるので、企業のほうが広い概念である。
広義の企業は、営利目的に限らず、一定の計画に従い継続的意図を持って経済活動を行う独立の経済主体(経済単位)を指す。」(ウィキペディア)
要するに経済活動を行う人間たちが創造した集合体ですね。
日本には法人という呼び方もあります。これは、「生物学的にヒトである自然人ではないが、法律の規定により「人」として権利能力を付与されたものをいう」そうです。今回の判決は企業に「人」としての政治的権利能力をも認めたということでしょう。
日本では、たとえば経団連が巨額の選挙資金を特定候補に注ぎ込むというような例はまだないと思いますが、遅かれ早かれ今回のアメリカでの判決による影響が日本の政治状況にも及ぼすことが案じられます。
ますます市民たちと自己の儲けだけを追求する企業との対決という世界状況になってきたようです。
2 件のコメント:
先日のアメリカの連邦最高裁判所での決定は、企業そのものに対する存在価値がなくなりつつあることを証明する者ではないでしょうか。
『草の根運動』などによって企業の存在価値が消滅することを『怖れた』企業の役員などが特殊法人みたいにしがみつくことに全力を挙げた。その『効果』がでただけです。
とはいえ、その恩恵にあずかれる期間はそう長くはないと見ています。遅くても中間選挙前までには企業は軒並み倒産。残るのは中小企業と光の使者達によって立て直された一部の大企業だけでしょう。
我々はそれを悲観せず、むしろ大熱望を持って迎え入れようではありませんか。
北発、1287さん
コメント、ありがとうございます。じつは私もそう思っています。いわば、悪徳大企業の最後のあがきかもしれませんね。
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