今日の読売新聞を読んでいたら、郵政衆議院解散劇のコラムにブッシュ大統領がしばしば小泉首相に電話をかけてきて意見を聞くことがあると書いてありました。何を考えているのかさっぱり分からない無能総理と呼ばれる小泉に相談するくらいなのですからブッシュも相当誰からもあてにされなくなっているのでしょうか。道理で、日本がますますファシズム政治に傾いていく理由がわかります。アメリカでは、ブッシュ政権が違法に(裁判所の許可なく)アメリカ市民を盗聴していることをNYタイムズが報道して大騒ぎになっています。いきり立った民主党議員の中にはブッシュ大統領を弾劾すべきだと発言する者も出てきました。当のブッシュ大統領は、対テロ戦争で全権を委任された以上、超法規的権利を有するんだと開き直っています。こうなるともう手が付けられません。ここにきてNYタイムズが政府に批判的な論調記事を連日載せるようになったことは、イラク戦争開戦時とくらべるとまさに雲泥の差があります。フセインが大量破壊兵器を隠していると主張してブッシュ政権のイラク侵略の根拠をもっとも強力に支えていたのがNYタイムズでしたから、まさに汚名挽回です。
そこで情けないのが日本のマスコミです。読売新聞は大本営直轄としても、小泉政権を正面から批判する勇気がまるでないようです。昨日のNHKニュースで、政府は小泉首相の任期が切れる来年の9月までに防衛庁を防衛省に格上げしたいと希望しているそうです。憲法9条改定のための国民投票計画案など、一般には見えないところでファシズム化が着実に進んでいます。最近読んだ本で「小泉純一郎と日本の病理」(藤原肇著)に、世襲議員のデータ(2003年)として、衆議院の全議席数480のうちの185議席が世襲で、これは全議席の38.5%に相当するという、びっくりする事が書いてありました。国会議員の約半数が、世襲的な既得権に寄生している事実は、確かに民主主義国家と表向きにはなっているけれど、実体は封建社会のままであることです。どうも日本人には、社会とか世界という広い存在のなかの自己という存在を客観的に見る視野が欠けているのではないでしょうか。村くらいの大きさの中での存在は自覚できますが、それが国というようなレベルの社会組織になると、自分がそこにどう関わっているのか分からないのでは。民主主義というのは単に市民ひとりひとりが権利と義務を有するというだけでなく、社会の中の個人としての位置づけでもあると思います。世襲議員が国の行く末を決める政治と民主主義は相容れないと信じます。
水曜日, 12月 28, 2005
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